うつわやブログ

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April 28, 2006 11:22 PM

陶片:その1・古高取内ヶ磯窯

utigaso,touhen1.jpg

唐津と思えますが高取なのです。

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上3枚の写真は古高取内ヶ磯窯の発掘調査説明会の時に撮影したものです。
写真の日付は97.10.19。

古陶磁に深い関心をもったのは、まだ独立してすぐの頃、立ち寄ったTさん宅で古高取の内ヶ磯窯の陶片を見せていただいたのが始まりでした。
それまでは、美術館でガラス越しに眺めたり、有光先生のお宅に出入りする美術商の方の品物を拝見したり、お茶のお稽古の時にM先生が出してくれるものなど、興味はあってもまだまだ遠い存在でした。

以前読んだ西岡小十さんと村山武さんの対談記事では、

「埋蔵文化財法はちょっとずれた法律で...発掘調査をしても掘り出したものを死蔵している...
私たちが掘れば、何か復元の対象になるんです...
古陶片の保管と公開は私が死ぬ前に何とかしておきたいと考えていきます。後世の若い人たちが資料という点でこまります..やきものに対する意欲、努力しょうという気持にならないです。自分がつくったものがいいという自己満足だけで、新しいいいものをつくろうという気がなくなるわけですから。そうすると、どうしても後世のやきものは衰退しますね。」


後世のやきものを衰退させたくはないですね~

Tさん宅で古高取の陶片をみせてもらった時に、
あつかましく私は「1つ下さい!」と言ってみました。
Tさんは「こんなのは、もらうものじゃなくて自分で採ってきなさい。専門家を紹介してあげます。」と、そして紹介してもらったのがK氏でした。

後日、K氏と待ち合わせをし、いざ古高取内ヶ磯窯跡へ!
K氏の手には長さ60~70cmぐらいのドライバーのようなものが?

「何ですか?それは?」と聞いてみました。

K氏は「これは、土の中にさして、陶片の埋まってる場所を探す道具で...」と丁寧に説明してくれました。

陶片探知機らしい!プロ?になると細長いドライバーのようなものを土の中にさしコネコネして、手に伝わってくる感覚で、土の下に埋まっているものを確かめるというのです。石と陶片の見分けもつくとか。これはすごい!

K氏は古窯跡にはかなり詳しく、窯の焚き口から、住居跡、ものはら(不良品をすてる場所)まで教えて頂き、かなり勉強になりました、と云うか楽しかったですね~本では学べないものが沢山あり、とてもよい時代でした。

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現在、古高取内ヶ磯窯跡はダムの底に沈んでしまいました。

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Comments (4)

以下の記事は、まさに「死蔵」と云う表現が正鵠を得ております。

「直方市教委:倉庫に眠る発掘資料 望まれる展示施設整備、厳しい財政に苦悩」

直方市民体育館の地下倉庫に、市内の遺跡から発掘した土器や古高取焼など
貴重な考古学資料が大量に眠ったままになっている。保管・展示ができる
歴史資料館などがないためで、このままでは大半が日の目を見る機会がない。
市教委の担当者は「地域の子どもたちに気軽に見てもらい触れる機会を
与えたい」と頭を悩ませている。

http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20081113ddlk40040385000c.html

内ヶ磯窯の陶片の一部は直方市中央公民館2階に展示してあるので、申し込みをすれば見れるのですが・・・
どこかに常設展示できる場所があるといいですね。

来週24日お邪魔します。
田村様がお教え下さるそうで楽しみです。
よろしくお願いします。

末次さん、もしかして、陶器まつり&谷尾美術館でお会いした方かと・・・
(違ってましたら申し訳ありません)
24日、お待ちしていたのですが・・・
またお会い出来る時を楽しみにしています。

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