うつわやブログ

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October 22, 2006 1:10 PM

山瀬窯の斑(まだら)

古唐津のなかで斑釉は人気が高く、特に帆柱窯の斑はとても美しく珍重されていますが
帆柱窯と同じ岸岳系で、この山瀬窯の斑も希少なものの一つではないかと思います。

yamase1.jpg
yamase2.jpg

この山瀬窯の土は独特で、他の窯とも区別が付きやすく
陶説 の「唐津の土」という記事のなかで須藤さんは「山瀬の土はひときわ異彩を放っている。
土の成分は、他の土が、硅石、長石、セリサイト、カオリナイト、ハロイサイトなど、混合した成分で出来ているのに対し、山瀬はハロイサイトだけの単成分で出来ている。
しかもX線で調べてみると、ハロイサイトのピークが鮮明で結晶がきれいであることが分かる。
この結晶がきれいな事は、陶土としては困ったことで、可塑性不足の原因となる。
元々、粘土鉱物単成分の陶土を使用することが異常であり、日本中にも、世界を見渡しても、山瀬を除いては皆無ではなかろうか」と山瀬窯の陶土が他に類をみないものとして記述しておりました。

現代ではこの山瀬の土を使ってる作陶家もいらっしゃいますが
作品は、どことなく違いがあるようです。

この小皿は6,7年前に購入したもの。
私が買えるのは、やはり呼び継ぎですけど^^;

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Comments (5)

とても小さい陶片ですが山瀬の斑が手元に有ります。
釉薬の厚さといい、土の細かさといい唐津はもとより、焼物の中でもとても異質で面白い物だと思います。
十分用を成す小皿(平杯)をお持ちとは羨ましいです。
素晴らしい品を拝見させて頂きありがとうございますm(_ _)m。

bin_sukiさんも山瀬の陶片お持ちなのですね。
陶片から学べる事は沢山あり、貴重なものと思います。

この小皿を買う時に、三箇所の呼び継ぎで値段が高いかなと思ったのですけど
最近、山瀬窯のモノは見かけなくなりましたし
購入してよかったです(^.^)。

素敵な小皿ですねー。
山瀬の器は私も憧れています。
山瀬の土味にノックアウトですわ~~。

この小皿、素晴らしいと思いますが、若干焼けが甘いような?

きっと私の思い違いでしょう^^。

66さん、鋭いですね~
釉薬は完全に溶けているのですが、土は焼きしまってないようです。

今、陶片(山瀬窯)の写真を撮るのに、きれいにしょうと思って洗ったら
同じくらいの焼けのモノは水を吸収してなかなか乾かないのですよ
陶片の断面をみても焼けは甘いです。

思い違いではありませんよ。ズバリ当たってます!

私も、陶説の記事「唐津の土」を読んだ時には衝撃をうけました。
あの説得力のある文章には、未熟な私なりに感じとしては分かるところがあり、
大いに頷きました。
図書館で借りてコピーしたのを大切にしていますが、
これからも何度も読んで行こうと思っています。
実際に実践されている方もいらしゃって、
とても注目しています。

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