うつわやブログ

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October 29, 2006 1:46 PM

宇土の谷窯の斑

ちょっとマイナーですけど

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今から3,4年前になるでしょうか
唐津の蒐集家宅で、コレクションをいろいろと拝見させて頂いた時に
古唐津 宇土の谷窯の六寸皿(上画像)を見せてもらいました。
その形は印象深く、力強く押さえ反られた口作りには特に惹きつけられるものがあり
忘れられずにいたものです。

今回その方から、この皿を特別にを譲っていただけるとのお話があり
即行、唐津まで行ってきました。(先週の木曜日の出来事)
こういう話には動きが早いです^^

そして再度お皿を拝見させていただきました。
発掘品でキズは多いものの、共継ぎです。
高台が一部欠損し、その部分にはパテ修理が施されていますが
そんな事は気ににならない程、釉の発色、歪んだ形も良好でしたので
即座にいただいてまいりました。

以前、古美術商からお聞きした話のなかかに、よいモノを買うには、「眼、金、胆 」三つ揃わないとモノは買えないというのがありましたけど、私の場合は、ほとんど度胸だけです!だから失敗も多い、おまけに借金も多い(-.-)

しかし、今 思い浮かぶのは、この六寸皿と同形の李朝と伊万里の白磁の姿である。

宇土の谷窯について

唐津焼の研究 中里 逢庵 (著)より

「武雄市の宇土の谷窯からは天藍紅斑(てんらんこうはん)の皿が出土する。 天藍青釉は宋の均窯の流れをくむもので、藁灰釉の一種である。 古唐津の藁灰釉はほとんど白に近いが宇土の谷窯は天青である。」


との記述がありました。
この六寸皿も高台内側と見込みに若干青味がでてます。

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Comments (8)
くらいけ ( October 29, 2006 8:53 PM ) 返信

斑と言えば岸岳くらいにしか思ってませんでした。宇土の谷窯の斑は青みがかっていますが、これが深みを感じさせるようです。柔らかさもあり、私の好きな釉調です。唐津の近くにお住まいなんですか?地元のutuwa-yaさんならではのコレクションですね。

「唐津焼の研究」の本によると斑は岸岳系以外に松浦系の 櫨の谷窯、大川原窯、椎の峰窯、藤の川内窯、金石原広谷窯、牟田原窯、金石原窯、中野原窯、岳野窯、焼山下窯、阿房谷窯、道園窯、市ノ瀬高麗神窯、猪ノ古場窯
にもあるみたいです。多すぎですね。

近くといえば近いのですが、福岡県の筑豊というすごい田舎で^^;
唐津までは車で往復すると有料道路使っても5時間以上はかかります。
上野焼までは30分。こちらはかなり近いです。

骨董と親の仇(かたき)は出会い頭(がしら)、という格言?がありますね。私の場合は、名品を取り逃がしたことより、衝動買いで変なの買ったことのほうが多いです。

「骨董と親の仇は出会い頭」とは面白いですね。
Wadaさんもそのような事があるのですね。
私は買った時は満足して、何年後かに見ると?なんでコレ買ったんだろう?
なんでアレを買わなかったんだろう?と逃したモノにも未練たっぷりあります(笑)

なかなか、ですね。半ば拉致されてきた陶工が望郷を具現化した、そんな造形ですね。

さすが、ですね。

ある所には有るんですね~こんなに状態の良い品が♪。
綺麗ですね宇土の谷窯の斑、勉強になります。
なるほど初期伊万里や李朝に通じる物を感じます。
3種揃えて並べられたら贅沢でしょうね(^^)。
素晴らしい品を拝見させて頂きありがとうございますm(_ _)m。

ぼんぼん ( October 31, 2006 2:20 PM ) 返信

出会い頭。良い言葉ですね。
ここのところ僕もそう言った経験をしたので、実感してます。
良い物をてに入れられましたね。
実物を見てみたいです。(^^)V
そう言えば、青山次郎展はもう行ってきました?
ミクんほうに、感想なども宜しくです。(#^.^#)

Moneyさん、このお皿に限らず、惹きつけられる根本は、その辺りにあるような気がしてます。言葉にして表すのは難しいですけど「望郷」はピッタリはまりますね。

李朝にも、伊万里にも同形、同サイズで、白磁のものがあるので、
どこが、どう違うか並べてみたいですね~
何年かかるか分かりませんけど頑張ります(笑)

「青山二郎の眼」は来月の月末に行く予定にしてます~
この図録最高です!写真といい構成といいすべてにおいて大満足!
図録見るだけでも、すでにドキドキしています。
特に油絵は楽しみですよ。
ぼんぼんさんの経験も気になりますが、またご報告しますね。

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