うつわやブログ

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November 6, 2006 11:48 PM

月に兎って・・・いるの?

昨日の夜空(7時ごろ)は雲一つないみごとな満月でした。

usagi1.jpg

古伊万里そば猪口

このそば猪口は、かなり以前に購入したものです。

この絵の背景は雲?兎の亡霊?画像では見えませんが、横には小さな月が描かれています。

月にまつわる話もいろいろとありますが 良寛さま 相馬御風(著)のなかに「月の兎」という話があります。

著者である相馬御風という方が、良寛さんを世にだした方のようで
良寛墨跡のきわめが相馬御風のものだと確かだとか。(相馬御風の字を見抜けないとダメですが・・・)

子供向けの本で、どんなお話かというと、かなり省略したものの長くなってしまいました。

大昔、猿、兎、狐の三匹が兄弟よりも、仲良く暮らしておりました
その噂は天におる神さまの耳にはいり
神さまは「それは感心なことじゃ。それを一つためしてやろう。」と
(ためすのは、どーかと思いますけど)
神さまは乞食の姿になり地上に降りてきます。

そして苦しそうなふりをして猿、兎、狐に
「どうかこのかわいそうな乞食をたすけてくだされ。わたしは幾日も幾日も食べんので、
今にも死にそうに苦しい。....どうかこのあわれな私をも救ってくだされ。」
これを聞くと三匹のけだものたちは「これは気のどくなことだ」と

猿は林へとんで行き、いろいろな木の実をたくさん集めて来て、その乞食に食べさせ

狐は川原へ行って魚をたくさんとって来て食べさせました。

乞食は「おかげで命が助かりました」といって喜び、兎は?あちこち飛び廻っているだけで、なんにもしてくれない。
そこで乞食(神さま)は兎に「お前さんも猿さんや狐さんと同じように、親切だと聞いていました。
このあわれな私に何かめぐんでくだされぬか。たのみます。」

すると兎は「わたしだとて同じようにお前さんが気のどくでなりません。けれど、私には猿のような働きもできなければ狐のような知恵もありません。私はこのとおり何もできぬバカな役たたずのものでござりますけど、お前さんがそんなにいわっしゃるなら・・・・・。」
と言って兎はしばらく考えこみ、

猿には枯れ枝を取って来て、積み上げるようたのみ
狐には猿の積み上げた枯れ枝に火をつけるようにたのんだのでした。

狐がその枯れ枝に火をつけると、火はみるみるうちにえんえんと燃え上がり

兎は「...私は何にもしてあげられません。どうか、せめて私の体の焼けるのを待って、このわたしの肉を食べてください」
こうして、われとわが身を火の中になげいれて、焼かれて死んだ。

それを見ていなされた乞食(神さま)は「ああ、かわいそうな、しかし、えらい兎さんじゃ。いかになんでも、わしはこのような立派な心をもったお方の肉なんかたべられようか。」
こうおっしゃって、泣く泣くその焼けただれた兎の死がいをだきあげ、天へのぼって
その兎の死がいを月の御殿におまつりなされた。

...あの、それ、お月さまが出なさるたんびに、その中に兎のいるのが見える、その月の兎の、これが話しのもとじゃ。

おしまい。

他に「盗人とお月さま」はけっこう物欲まみれの私にはグサリときますけど
「盗人にとりのこされし窓の月ーほんとうにそうだ。いかなどろぼうでもこれまで持っては行けんわい。ありがたいことだ」と泥棒にすべて持って行かれ、ただ美しい月を眺めていられることをよろこんでいるお話でした。


usagi2.jpg

この兎も風邪でしょうか?
鼻水がでてるみたいです

風邪にはご注意下さい。


後日追記

この話を簡単にした一コマ見つけました!

rabbit 0.jpg

吾妻ひでお
「うつうつ日記」より

注:「うつうつ日記」はお勧め本ではありません。

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Comments (2)
くらいけ ( November 7, 2006 9:45 PM ) 返信

上の猪口の絵も波兎でしょうね。変な波ですけど・・。波兎は謡曲・竹生島「月海上に浮かんでは、兎も波を走るか面目の浦の気色や」を意匠化したものか、因幡の白兎の神話に基づく文様か(そば猪口事典)というのですが、小さな月があることから、私は竹生島説に一票です。

くらいけさん、最高です。私も竹生島(ちくぶしま)説に一票!

ちょっと調べました^^;→http://www.ses.usp.ac.jp/users/nougakubu/tan3-zenbun.htm
こちらの現代語訳だと「月が湖面に映るときは、月に住むウサギも波間を駆けていくのでしょう」
なんとも美しい情景ですね~

謡曲・「竹生島」を聞いてみたい方は↓こちら34で試聴できます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1783286

CD欲しいかも。

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