うつわやブログ

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March 6, 2007 9:10 AM

中国の青磁

「伊万里青磁?」に情報頂ましてありがとうございます(^.^)

http://blogs.yahoo.co.jp/ko0214/36898688.html
↑越前屋平太さんのブログ(古伊万里の宝庫です)を拝見していましたら
他にも気になる事がありました。

有田(伊万里)で忠実に写そうとした青磁は

「中国・明の青磁、有名な竜泉窯の作品に見られる手法で、
その影響を受けたものであることは間違いありません。」

って事は・・・

seiji01.jpg

青磁陰刻蓮華文皿
口径 15cm 高さ 3cm

seiji02.jpg

伊万里青磁と同じような高台だが、鉄錆は塗られていない
素地の色が赤く発色しています

この皿って・・・もしかして明時代の竜泉窯? 

seiji00.jpg

この皿を購入したのは、
器の注文を頂いて配達に行ったお宅(御寺)で
「中国陶磁器を預かっていますけど、見ます?
持ち主が置き場所に困り、欲しい方がはあれば売って下さいと
ウチに保管してるんですけど・・・」と言われ

喜んで拝見させて頂いたくと、
大半は唐三彩の馬や人形などよく分からないものでした。
(美術館では見ますけど、中国モノ判りません^^;)

せっかく見せて頂いたので、何か一つ手頃なのはないかと物色し
この皿のなんとなく優雅な陰刻とちょっと歪んだかわいらしさに惹かれ、
持ち主に値段を確認してもらうと9000円というなんだか微妙な金額でした。

高額だと諦めますが、その方にはお世話になってますし
器代金も入り、ちょっと温かな懐具合もあり
いったい高いのか安いのか?価値も分からず購入しました。
(高麗青磁と似た土だなぁ~と思ったぐらい)

そして月日が経ち、この皿の事はすっかり忘れていました。


「伊万里青磁」を見直していると、
この皿の事を思い出し、改めて高台を見ると・・・

中国青磁の赤土を模倣した高台ってコレ!?
この高台!だったのぉ~
(↑2枚目画像参照)

と驚いている所に、くらいけさんから情報(コメント)を頂き
越前屋平太さんのブログを拝見してみるとまたもや驚きました!

竜泉窯!(名前だけは知ってました)
忠実に写そうとしたのって竜泉窯だったのぉ~

もし、この皿が竜泉窯って事だったら
まさか天龍寺青磁とかじゃないですよね~
↑幻想は大きく膨らんでいます。

そしてだんだんと知識の方が膨らんでくると、
この皿も竜泉窯を忠実に写そうとした青磁だったの
って落ちになりそうな~w 多少の予感もあります^^;

天龍寺青磁とは

中国竜泉窯産青磁のうち、濃い黄緑色したものをいう。主として元代から明初にかけて焼かれたといわれ、大型の花瓶や盤が多い。砧青磁や七官青磁が主として無文なのに対し、陰刻や陽刻の文様を施したものが多い。
わが国の茶人が付けた名称で、天竜寺船で舶載されたからとも、天竜寺に伝わる浮牡丹の香炉からともいわれる。

やきもの事典より抜粋

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Comments (6)

良い青磁皿ですね~。蓮華文は型や釘彫りではなく、鋭いヘラ状の物で切り取った感じですね。このシャープな感じはさすがに中国の焼き物だなぁと思います。さてどこの窯の物なんでしょうね~?中国もの、しかも青磁となると最も難解です^^;

越前屋平太さん、何度もお呼びだてして申し訳ありません
度々ありがとうございます^^。

確かにこの蓮華文は鋭いヘラ状の物で切り取られてますよ!
今回、青磁をいろいろ調べましたが、
範囲も広いし、時代の幅もあるのでホント難解です^^;

分かる方いらっしゃいましたらお願い致します。
↑すぐ人に頼ります~
同じタイプお持ちの方は是非に、
この皿を私が作りましたという方もOK!w
お待ちしております~

お初にお目にかかります。

早速ですが、非常にややこしい代物です。

まず、文様は片切り彫りと呼ばれる技法で青磁では中国の越州窯や耀州窯でよく使われる技法です。
しかしながら、そのどちらかだろうとは申しかねます。というのは明らかに高台の形状は明代竜泉窯のものです。ところが、竜泉窯に片切りの技法が使われることはかなり珍しいことでです。(類例があるかちょっと自信がないです)

ここからは私の推測ですが、高台の形状はごまかせませんから、99%明代龍泉窯だと思います。この模様は一種の新製品として他所の窯のコピーとして作られた(時々そのような例が見受けられます)と思うのですが。

F.Nakajimaさん、はじめまして
細やかな解説ありがとうございますm(__)m。
99%明代龍泉窯だと、ほぼ間違いないようですね。
判明してとてもすっきりしました(^_^)v
(1%の可能性は無視しときます~)
そして、とてもおもしろい推測です!
龍泉窯も他所の窯のコピーを作って
日本、韓国も中国青の磁影響を受け忠実に写そうとした。
結果的には技術も向上し、よいものが出来たのでしょうね。

いや。。。。作陶されている方に非常に申し上げにくいことなのですが。。。ええい言ってしまおう。

龍泉窯の製品の「品質」がピークを迎えるのは南宋時代の砧青磁です。この時代の素地に使われる陶土の質、轆轤技術、釉薬どれをとっても技術的にしっかりしています。

しかし、その後、龍泉窯の製品自体の質は落ちてゆきます。これは需要が拡大したため、生産量を上げるため、ある程度の手間を省いたと考えられます。(ですから逆に生産量が上がります)
ところが、皮肉なことに逆に質が落ちたことにより、時代に連れて需要が減っていっちゃうんです。で、それを打開するためにあれこれ手を出す。
そういう時代背景の中の作品なので焼き・陶土・釉薬とかは宋代のピーク時に比べるとどうしてもランクが下がる。結局自分の「売り」が何なのかというのを忘れてしまうと窯は衰退していくんです。

いや~言って下さって感謝です!
作陶してても、学習不足の未熟者ですので大いに助かります^^。
中国の時代背景が全く頭に入っておりませんでした。
分かりやすく丁寧な説明をありがとうございますm(__)m

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