April 2, 2007 8:00 PM
蛇蝎釉の火入
多分、薩摩と思うのですが・・・
随分前ですが、この火入れを購入したときは、
高台の土をみて上野かなぁ~
もしかしたら唐津の可能性が多少はあるかなぁと思っていましたが、蛇蝎が作られた李祥古場窯の陶片を見ると、土の感じは唐津ではないようです。
「唐津焼の研究」中里 逢庵 (著)を拝見しますと
「鹿児島県の古薩摩に白蛇蝎釉・黒蛇蝎釉があるが、武雄古唐津の李祥古場窯の蛇蝎釉と非常によく似ている。白黒の蛇蝎釉を焼いた窯は、鹿児島県加治木市西郊の西餅田の元立院(げんりゅういん)窯である。元立院窯は、寛文三年(1663)小野元立によって開窯された。元立に協力した北村伝右衛門は、有田皿山で陶工をしたといわれている。彼は、李祥古場窯・祥古谷・牛石窯の蛇蝎釉を知っていたのであろう」と記述があり、
最近、知人の古薩摩を拝見すると、土はこの火入れの土と非常に似ており、薩摩の蛇蝎釉の可能性が高いのではないかと考えております。
(↑薩摩の蛇蝎釉の実物を見たことも無く、信憑性の無い妄想に近いです^^;。)
注)箱は購入時、身と蓋と合わない別のものでしたので
建具屋の友人に黒柿で縁を付けてもらい合うようにしました。
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Comments (6)
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先日はお世話になりました。とても楽しかったです。ブログで紹介させていただいたのですが、もしも差し障りがあるようなら、お知らせください。
かさねさん、こちらこそお世話になりました。
全く問題無しです~ご紹介頂きありがとうございます^^。
以前も申しましたが、私は九州の古陶磁全般に興味がございまして、現在、
堺市博物館で催されております「薩摩焼-400年の伝統とパリを魅了した美-」
の展示品の情報をネットで探しておりましたところ、「どんこ釉茶碗」と称する、
蛇蝎釉と近似した手法で釉薬を掛かけたどこかで見覚えのある一品を発見しました。
もうお分かりだと思いますが、その見覚えのある品がこちらの火入れです。
どうやら薩摩焼では、原理的にはほぼ同じ技法ではありますが、施釉法としては
どんこ釉と蛇蝎釉を分けて考えているようです。
程度の良さから考えると、こちらの火入れは中々の名品かも…
>薩摩の蛇蝎釉の実物を見たことも無く、信憑性の無い妄想に近いです
うつわやさんの妄想は、信憑性の非常に高い妄想のようです(笑)
「おかねの情報室 薩摩焼―400年の伝統とパリを魅了した美―展」
http://coinkun.cocolog-nifty.com/coin/2008/11/400-5ea4.html
西家庵さん、なんとお礼を申し上げたらよいか・・・
やっと正体が判明しました!ありがとうございます。
「どんこ釉茶碗」はまさしく同じ手、
毒々しい蛇蝎ではなく、蝦蟇の如くでしたね。
心の奥底で、この火入れのどんこ釉はなかなかのものだと・・・(笑)
お礼には及びません。うつわやさんのブログからいつも学ばせて戴き、こちら
こそお礼を言わなければなりません。
更に調べておりますと、この薩摩焼展に行かれた方がブログで公式図録を一部紹介
されてまして、そちらによりますと、「どんこ釉茶碗」は龍門司系であるとのことです。
ちなみに、鹿児島大学の渡辺芳郎氏によりますと、近世薩摩焼の中心的窯場は、
竪野窯であったと考えらているそうです。
こちらが渡辺氏のブログです。私も随分と勉強させて戴いております。
「薩摩焼な日々」
http://air.ap.teacup.com/satsumaware/
西家庵さん、度々ありがとうございます。
「薩摩焼な日々」も興味深く、拝見させていただいています。