September 2, 2007 7:57 PM
先月のお茶の稽古
このところ、暑さも和らぎ少しだけ過ごしやすくなりました。
先月の暑さといったら、並たいていのものでは無く例年にくらべるとかなり厳しいものでした。
工房にはクーラーは無く、ほぼ我慢大会のようなものです。
(骨董より、クーラーが必要ですねw)
そして、お茶の先生宅も稽古時はクーラーは無しです。
しかし、演出は日本ならではといったもので
障子は葭戸(よしど)に替えられ
(涼しげです)
菓子は冷やされたガラスの器に入れられ
手に取ると、ひんやりと気持ちよく
(これで体温が少し低下したような気分)
掛軸は「好雪片々」こうせつへんぺん
花入れには 遠州むくげ
真っ白い花からは水がしたたり落ち
まるで白い花が雪どけを思わせるようなものでした。
(掛軸と花でかなり気分的に涼しくなったような気になる)
時折、開け放たれた戸から風が吹き抜け
わずかな風にさえありがたみを感じます。
クーラーの部屋に閉じこもっていては
風をこれほどまでに気持ち良く感じられないでしょう。
なぜお茶の稽古時にエアコンがないかというと
利休七則の
「夏は涼しく冬暖かに」を演出するためだとか。
利休七則は
↓茶の湯グラブさんの茶人の心得に詳しく解説されておりました
http://www1.odn.ne.jp/~cas30550/chanoyu-j/sitisoku.html#nafu
当時は本当に実質的に快適な「夏は涼しく冬暖か」を求めた部分は当然あったでしょう。でも、それが叶わないことで工夫が生まれました。本来皮膚で感じている環境の変化を、耳や目によって実際とは異なる状態に感じさせる方法、つまり、感性による演出を考え出したのです。例えば、水や氷またはそれらを連想させるものは触れなくても「涼」を、火や日またはそれらを連想させるものは当たらなくても「暖」を、音や色から感じさせます。
エアコンの効いた部屋では、この演出効果が薄れ
過去に行われてきた工夫など途絶えてしまうからでしょうね。
これらはとても大切な事のようにも感じます。
でも、あまり暑いと来年こそは工房にクーラー付けます!
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Comments (3)
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“心頭滅却すれば火もまた涼し”にも通ずる教えでしょうか?
スミマセン、私ごとき幼稚な精神では厚いときは厚い、寒いときは寒いとなります^^;
そんな僕でも、さすがにクーラーが要らない夜になりました。
↑“暑い”ですね_| ̄|○
くらいけさん~どんまい(←生徒からよく言われますw)
“心頭滅却すれば火もまた涼し”これほどまではないでしょ~
しかし、室内で熱中症になったりするようですから覚悟はいるかもですね。
私の場合は、昔の陶工はエアコンなんて無かったと変な理屈付けながら
頭の中では「古唐津の碗」と「快適な工房」が量りにかけられてます。
来年は「快適な工房」を!