September 13, 2007 1:10 PM
高麗時代の象嵌
同じ象嵌技法でも李朝時代のものは三島手といい
高麗時代は象嵌青磁と呼ばれています。
象嵌青磁とは
朝鮮半島で高麗時代に始められた青磁の象嵌技法。
やきもの事典より
12世紀後半~13世紀が全盛期で、高麗末期には崩れ、李朝の三島へと展開する。
いい展開です(笑)
この鉢はかなり前、値段に釣られてヤフオクで落札。
(ワレとカセがあります)
先月、出光美術館で青磁についての講演を拝聴したおりに
青磁は磁器ではなく、土物に属した磁器に近い半陶半磁に入るとのことでした。
"磁"とつくと磁器と思いがちになります。
上の象嵌青磁とほぼ同じ文様ですが
青磁の酸化上がりで、焼け損ないというのでしょうか
同じ象嵌でも、この色では青磁とは言い難いですね。
この鉢が完全な姿を保っていた頃は、お茶の稽古時に菓子鉢として使われていました。
何らかのハプニングによって割れたらしく
ある日、お茶の先生から「割れた鉢はいるか?」と問われ
私は「はい!喜んで!」
先生は「割れた物を喜ぶのはあんただけやなぁ~」といって
この鉢を下さいました。
カケラは粉々になり、すでに処分されていましたので
欠損した部分は自分で治したものの
ちょっと失敗だったかな~と思いながらも
最初の修理よりは少しマシになったと、前向きに考えております。
ところで、この鉢は酸化青磁としてしか言い表せないのでしょか
この呼び方だと、青磁の失敗作という印象が強くなりがちのような気がします。
辰砂(銅)の酸化焼成が織部と呼ばれるように
(織部が還元炎で焼かれた場合は辰砂となります)
酸化した青磁にもなにか好い呼名があるといいのですが
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Comments (4)
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固定観念が壁になっていけませんね~。
「これは青磁のハズ」となってしまいます。
それにしても幾つお持ちなのでしょう?そちらの方が気になります^^;
「これは青磁のハズ」ごもっとも、青磁でいいんですよね~w
この写しを造って、酸化したものを象嵌青磁と言ったら
「コレは、青磁じゃないよー」と大半の方から言われちゃいまして^^;
幾つもってるかは、怖くなるので数えません。
きっと、くらいけさんの想像してるぐらいと思いますよ~
こんにちは。岡部嶺男さんが「窯変米色瓷」と銘打ってこうした色合いのものを数多く作られていますよね。ただし、私は作陶に関する知識は全くないので岡部さんの「窯変」が「酸化焼成」のことを意味しているのかは分からなくて、自信がないので書き込みをためらってました。
それで、少しだけ調べてみたのですが、岡部さんの作品が酸化焼成かどうかは一先ず措いて置くとして、一般的に酸化焼成した青磁は「米色青磁」といってよいようですよ。
ttp://secondlife.yahoo.co.jp/hobby/master/article/h103akeis_00144.html
↑ご参考までに
素人の浅はかさでとんでもない勘違い書き込みでしたらごめんなさい。
bion5555さん~嬉しいです。
米色青磁というと中国宋代、貢郊壇官窯(こうだんかんよう)系統のものといった印象で
現代のイメージは、貫入がありその中に釉の結晶がある感じでしたよ~
しかし、高麗青磁も米色と言っていいんですね!
(↑アドレス)骨董の達人がおっしゃられてるから間違いないでしょう。
余談ですが、こちらの女性古美術商ステキですね。この記事は心温まりました。
いや~ありがとうございます。