うつわやブログ

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October 10, 2008 10:55 PM

盃の酒映り

せっかく徳利を購入したので、酒呑みの心を知るべく、 酒をひきたてる盃とはどんなものなのかを検証してみます。
(盃といっても手元にある小皿ですが、素材だけでも参考に)

盃の一番の人気はなんといっても、 お酒を注ぐと白肌の中に青き斑点が輝く斑唐津でしょうか
(画像No,1~2参照 No,3は高取)

sakeuturi01.jpg

しかし、斑は盃の美しさをひきたてるのであって、お酒そのものを美しく見せるには、苔蒸した岩肌を思わせるような深き緑の小貫入のある青唐津(No,4)なども、なかなかよいのではないかと思うようになりました。
それとも、酒を利くには白磁(No,9)が一番なのでしょうか・・・

また、季節により、形により(夏は平盃、冬は筒など)、素材(磁器、土モノ、塗り物など)により、お酒の種類(No,8などはにごり酒が似合いそうな感じですかね)によっても異なるものなのでしょうが・・・このあたりは呑めない私にとっては未知なるものでもあり、盃についての拘りなどありましたらお教えください。
(凄く個人的な主観も大歓迎です)

酒器好きとたまに遭遇する時があります。

いかなる場合であろうとも、ポケットにマイぐい呑みをしのばせ、いざという時に備えているようです。

梶原さん作 山盃

店のカウンターに座り、店主と目で合図をかわし、 ポケットから愛用のぐい呑みをとりだし、そっとテーブルに置き、 だされた酒を注ぎ楽しんでいる様子をおみかけします。
(そのぐい呑みは梶原氏の山盃でした。写真は別のもの)
帰りも、そっとポケットに忍ばせて・・・

また、別の店で、ある方はとびっきりの古唐津に裂織のマイ、コースターまで用意するという念の入れよう。
使いこまれた盃は酒を注ぐと、盃が呑んでいるかのごとく、酒を吸い込んで潤い、貫入がだんだんと濃くなり、酒をよりいっそう美しくひきたてるようです。

他にも、陶芸教室で作り、窯から出したばかりの自作の盃で呑んでる方もいらっしゃいました。

こういう方々をお見かけしてると、盃は持ち歩くのが当たり前なのだなぁと思ってしまうこの頃です。
(※決して呑み屋をうろついてる訳ではありません)

sakeuturi03.jpg

ついでに自作の筒形を

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Comments (13)
Money ( October 11, 2008 12:25 AM ) Reply

なかなかのコレクション、ですね。

盃、いつも持ち歩いていたいのですが周囲の目が気になり・・・。

お酒の味も、お料理も10倍は美味しく感じられるのですが・・・。

酒呑みの戯言を聞いて下さるそうで、飛んで参りました(笑)
私は、芳香爽やかな吟醸系を好み、冬でもお酒を常温より若干冷やして戴くことが多い
ので、香りが逃げにくく、温まり難い深みのある盃お選ぶことにしています。

私ごときの小市民数寄の元には古唐津の筒盃などまわって来ませんゆえ、専ら山盃や
古伊万里の酢猪口(のぞき)に登場願っております。中でも山盃は、重心が低く、程よい
重さで安定感が感じられます。

また、径10㎝くらいの小皿を平盃に見立てるのに異議は唱えませんが、個人的には使い
づらいと感じます。酒量が進むと、口元に運ぶ際にこぼさないよう気を使いますし、縁に
添える指も糖分でべたついて来るからです。

>こういう方々をお見かけしてると、盃は持ち歩くのが当たり前…
来たるマイ盃ブームの到来のお告げかも(笑)

全てに、酒(?)が注いであるところがすばらしいです。その通りで、酒のみ様は、この景色こそが好きなのではないでしょうか。
私は、少し小さめの薄造りの唐津がほしいです。(笑)
持った感じが儚い感じであればぴったり。
御自作品を拝見して、この感じで、特に胴回り辺りにかけてが薄く、手持ちが軽い、つまり酒の量が判るものは理想です。
胴は焼きで多少よたっても可。高台は竹の節であればなお好き。
以上です。

ちゃちゃ ( October 11, 2008 10:32 PM ) Reply

(とても買えませんが、)理想的には、無地唐津の筒盃が良いです。斑はそれ自身は綺麗ですが、一人でちびちびやるには、うるさすぎます。(たぶん。) 自己主張しない地味な色(No.4,5ぐらい)と地面から生えてきたような、何でもない形が飽きがこなくて良さそうです。(想像。) あと、少し重めで重心が低く、握って呑め、若干の端反りがあると、口当たりと酒の流れも良いと思います。(妄想。) また、良く焼けていて、酒のにおいがつかず、黴びず、洗ってもすぐ乾き、それでいて少しずつ育っていくと最高です。(懇願。) 平盃は、こぼすし、ほこりが浮くのが目立って、残念です。あぁ、糸切り高台ではなくて、ちゃんとした高台の古唐津盃が欲しいです…。(酔っぱらって書いています。)

 Moneyさん、小皿というのが私らしくていいでしょ(笑)
周囲の目を気にせずにいたら、10倍も美味しくなんて、最高じゃないですか~
古唐津の持ち主はあたりまえのような態度で、持ち歩かない方がおかしいといった感じでした。

 西家庵さん、深みのある盃は、暖かいものを冷めにくくするものと思い込んでましたが、冷たいものが温もらないようにという逆効果もあるんですね

>古唐津の筒盃などまわって来ませんゆえ
もし新物(作家モノ)で古作と同様の風合いをもつ筒盃があればどうですか?
(作り手で、それを目指す人は多くいます)

>径10〓くらいの小皿を平盃に見立てるのに異議は唱えませんが、個人的には使いづらいと感じます。
見立てても深さがないと、しょせん皿はどーあがいても皿ですからね(笑)

マイ盃ブームを広けましょう!まずは自ずから始めてね、私もがんばりますから(笑)

 wassenaarさん、もちろん小皿の中は全てお酒ですよ。
(一皿撮影し、次の皿に移したので、中身は同じお酒です)
儚い感じの古唐津もありますね~。底には少し厚みがあり薄作りの筒を最近みました。
貴重なご意見ありがとうございます。今後の参考にさせていただきます。

 ちゃちゃさんのお好みは地味な色の端反りがある無地唐津の筒盃ですね。
それと、焼きと育ちも重要。了解です、ありがとうございます。
>(酔っぱらって書いています。)
もしかして、自作の盃使っていただいてます?それとも古唐津?

ちゃちゃ ( October 11, 2008 11:47 PM ) Reply

もちろん「もう少し控えめにしたく、釉薬を薄めにし、カイラギを程よい加減に。口径4.6~5.6cm高さ約5.3cm」盃ですよ!ただ今集中的に育ててます!!

ありがとうございます。m(__)m
よい発育をされる事を祈っております。
(気長に成長を見守りください)

No.4あばた顔のオバちゃんプリーズ!!
本当の貧しさを知らないけれど、不景気になればなるほど儲かるやり手・森永卓郎の顔とはちゃいますよね。

(;^ω^v

Buhiさんから見ればNo.4は、あばた顔のオバちゃんになるのですね(笑)
不景気になればなるほど、儲かるやり手顔(?)とは違いますが・・・
例え貧しくとも、心の豊かさはもちたいと思いつつ、私も本当の貧しさがどんなものか分かってないかもしれません。

結局、常用するのはひとつかふつつなのですが後宮三千人とはいかないまでも、いろいろ数はそろえたくなるものです。

酒呑み、唐津好きからするとNO6は垂涎で、酒越しに海のような景色を見るのがいいのですが「育つ」ということを実感できないので、このタイプは徳利のほうがモテます(笑)
2,3,4,5などは盃としてもモテます。

ま、いきつくところは結局9ということになるかもしれません。

※目下須恵器の盃をこき使ってます。

酒器好きの心が私の中で見え隠れしてしております。
NO6が徳利向きなのもなるほどと実感できます。

いきつく先は白磁というのも、あれこれと使ってみて結局最後には、なにもない白磁にとなるのでしょうか。
須恵器も渋いところです。このあたりが美味しく呑めたりしそうな感じも・・・

うつわやさん、酒は呑めなくともこの研究熱心には恐れ入りました。この探求心と情熱、たゆまぬ努力こそが、うつわやのぐい呑みに酒呑みが引きつけられる由縁なのでしょう。
私は宝塚の男役や文楽人形の女形が好きなのですが、これらも自分がなり得ない異性の役だからこそ、その異性の研究にたゆまぬ努力を重ね、ついには本物よりもそれらしく見え、より艶がありカッコ良い、役作りをしてゆくのだと思いますが、うつわやさんのぐい呑みもこれに似ているのかも知れませんね。
ただ、あえて言えば、本物はいい加減なところもあれば、見栄えほどカッコ良くないところもあります。これは欠点と言えば欠点ですが、それがまた味になることもあります。酒呑みは盃に徳利から酒を入れ、その酒映り、色、形、手取りを愛しますが、完璧なものは疲れます。何かしら、疵みたいなものがあれば、それがまた可愛くなる変な習性を持ちます。
うつわやさんの器は、進化していると思います。特に高台の魅力はなかなかのものです。今後も精進を続けられ、より高みを目指されることを期待しますが、たまにはええ加減さも持ち合わせて思い切った創作をしてみては如何でしょうか。
あんまり深いことは知らんのに、えらそうなこというてすんません。 

コメントありがとうございます。
おっしゃられてること伝わってきます。
人も同じく、完全で無欠よりも、どこかしらなにかぬけてないと付き合い辛いような、そんな感じですね。
またお会いしていろいろお聞きできるのを楽しみにしています。明日は大阪です!

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