うつわやブログ

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October 19, 2008 8:59 PM

唐津のカケラ 内田皿屋(小山路)窯

先週「九州陶磁文化館」に古唐津展を見に行った時、この陶片と同手の沓茶碗が展示されており、数ヶ月前に近くの骨董店でみかけた堀の手の沓茶碗を思い出しました。

touhenoyamaji01.jpg touhenoyamaji02.jpg

骨董店でみた茶碗は傷も少なく完器に近いものでしたが、沓形がさらに歪をまして、沓を上回るような大沓茶碗といったようなひしゃげ具合でした。(ひしゃげすぎて使えないような感じ)
記憶が定かでないので、もう一度見に行こうかと・・・

内田皿屋窯について、唐津焼の研究より抜粋

内田皿屋窯は武雄古唐津中では最も優秀な絵唐津を焼いた窯である。織部唐津の向付類に優品が多い。志野・織部の紋様と全く同じような千鳥・鵞鳥・橋・御所車・松山などの紋様を描いている。作調に磁器の影響を受け、古染付に似た器形が多くみうけられるところから、1610年代から1640年代に焼かれた窯と思われる・・・

唐津で沓茶碗を作った窯は大川原・甕屋の谷・焼山・多久高麗谷・内田皿屋・牛石など・・・

鉄砂で刷毛目をした黒刷毛の沓茶碗や沓鉢、大鉢がある。甕屋の谷・焼山・多久高麗谷・内田皿屋など・・・


この陶片は収集家より小皿を数枚買い、支払いに行く度に、いただいたものです。 (沢山買って、支払いは少しずつ分割にしてもらいます)

お支払いに行くと、「好きな陶片をやるから、もっていきなさい」と言われ ちょっと目の色をかえて選んでしまいます。

touhenoyamaji03.jpg

織部様式(志野に同形あり)

touhenoyamaji04.jpg

絵は両面にあります

まずは、これを・・・

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ちいさいながらも、技のあるロクロ

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絵が両面にあるとお得な気がして

次にこれも・・・

touhenoyamaji07.jpg

これは小さな耳がたまらなく可愛くて

そして、これも・・・

収集家より「あんた、そりゃ選びすぎばい!」
といわれながらも、ちゃっかり予定の数より多くもらってしまいました。

touhenoyamaji08.jpg

こちらも過去にいただいたもの
上のみが小山路窯 

現在こちらには借金がないので少し寂しい気がします・・・

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Comments (6)

沓の陶片は、筆使いが御所丸を想起させます。

作りの胴の締めかたや玉縁なども、結構近いかもしれませんね。
この内田皿屋窯は注文品(茶道具)が多いようで、近くに寛永元年と記された韓人墓があるらしいです。
御所丸もたしか日本人の発注だったと何かに書いてあったような・・・

余談ですが・・・↓ここの窯も御所丸に似た形状です。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/2007/03/post_94.html

この窯の絵付けの意匠は、古唐津の中でも独特ですよね。武雄系らしい鉛色した釉薬の
色調もまたよろしいです。
物の本には、古田織部の指導の下、茶陶としての織部唐津様式を確立した古窯とござい
ますが、実際はどこまで関与したのでしょうね。いずれにせよ、織部は、武将として、茶人
として、非常に影響力を持った人物であったことを疑う余地はございませんが。

>現在こちらには借金がないので少し寂しい気がします…
完済してしまえば、陶片だけを目当てに伺いづらいですものね。ご利用は計画的に(笑)

どこまで関与してたかわかりませんが、当時の流行(ルーズソックスの如く・・・)のようですね。
いち早く敏感に察知し、織部スタイルがイケルとふんで、大量発注かけた業者とかいたりしませんか・・・
「このスタイルなかなかいいよ~金海にこのタイプ、唐津にはコレを作らせてみて、あっ!そういえばあそこの藩主にも教えてあげなきゃ・・・大至急、文だしといて」みたいなぁ・・・のってないですよね(笑)

ほんと、計画性がないので困ってしまいます。
次からは500円ぐらいの分割に・・・(笑)

「桃山・江戸初期の織部様式の流行=模造品業者による濫造」説、面白いです(笑)
きっと昔も日本の一般消費者は、新し物好きで飽きっぽかったでしょうから、供給側も流行
の動向には敏感だったことでしょう。

織部様式は、日本の陶磁器史の中でも、造形、文様ともに斬新で前衛的な発見であった
と言われておりますので、個人的には、その人物像も破天荒であって戴きたいものです。
例えば、岡本太郎さんの様に(笑)

織部様式のものが京都で大量に発掘されているので、注文して作らせていたのは間違いないと思うのですが・・・
日本は今も昔もかわらず、新し物好きで飽きっぽかったするかもですね(笑)

このスタイルは、窯の焼け損じて歪んだものをヒントにしたとは考えられますが、当時にそれを作るなんて凡人では考えつかないですよ~

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