うつわやブログ

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February 17, 2009 1:00 AM

釉薬の時間

最後は釉薬掛けです。
古陶を見るときに、細部に目を向けるといろんな発見があります。

20090216yuuyaku01.jpg

欠けたような箇所の上に釉薬がのっている。
(右下の画像のみ勝手ながら拝借いたしましたm(__)m)

釉薬をかける以前には、すでに欠けていたことが分かります。(生素地に釉薬をかけると、水分を含み壊れやすく、指が当たる箇所が同じようになる場合があります。)唐津の古窯にも一部素焼きがみられますが、初期のものは生素地のまま釉薬がかけられていたと思われます。

↓このような釉薬の流れ方に、同じ調子のものをみかけます。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/photo/karatunatutyawan02.jpg
火間の位置や指跡からどのように釉薬をかけたかを想像してみる。

素地の違いによる釉薬の付き具合を知るため、半乾き、乾燥、素焼、の三種類を同じ手順で釉がけをし、釉薬の流れ方をみる。(釉薬の吸収率が異なる。焼き上がりの違いなども)

黒釉のテスト。(泥+灰)
以前はこまめにテスト釉を作っていました。しかし、何度もやっていると手間がかかるので、原料を合わせず、単味で順番にかけテスト焼するようになりました。(大まかな目安です)
最近、なんとなく良さそうな気配がでた黒釉があったので、釉薬を作り、かけてみる。

20090216yuuyaku02.jpg

収縮と耐火度テスト。断面と色味テスト。黒釉をテストした碗

釉薬のかけ方による違いや焼成による釉の厚さ(濃さ)の違いなどを考慮した釉がけを終え、釉薬の時間は終了となりました。(弟子入りしていた頃に作っていた器は赤絵が多く、釉薬をかけるさい釉だまりがでないよう注意を払っていました。天然の灰が結晶する釉薬の溜まりは、上手く生かしてやると面白い景色となる。)窯の焼きあがりは来週の月曜日予定。

田舎町の訓練校(陶磁器科)講師2名、生徒4名、その他1名のなかでの学習会でした。(過去やきもの関係に就職できた生徒は数名。卒行後、窯をもつ生徒は十数名。今年は続ける生徒はいるのだろうか・・・。)
6回目を終えて、一番勉強になったのは私のような気がする・・・。

全く関係のない話ですが・・・
今日、汐景のたよりが届きました。→ http://shihoge.exblog.jp/

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Comments (6)

ここ数回の焼き物講座では、コメントこそ残しておりませんが、
欠かさず拝見しております。
実際、書き込むにも、それだけの知識と経験もなく、
ただ学ぶことしかございません。
この機会を与えて下さり、感謝しております。

西家庵さん、説明不足な点が多く、意味不明なところもあると思います。
読み返してみると、私でもよくわかりませんよ(笑)
(私の知識と経験は、まだまだ浅いものです。)
何時か何かのヒントにでもなればと・・・。

確かに生掛けは形が崩れないかと慎重になります。
かと言って素早く釉掛けを終えないとダメですしね。
指のかけているところなど、力を入れないようにしながらしっかり持つみたいな微妙な感覚。昔の唐津陶工もそんな感覚だったのかな(笑)

黒釉をテストした碗…いいですね~。
コレ使い続けるとウチ側がすれて長次郎の黒楽のようにはならんでしょうか?

「小山」いいですね~よくなってきた。しかし粉引はうらやましい、肝臓もなければ血糖値もない…(笑)

いつも拝見して、こちらから
見れば、新たな発見(勉強)を
させて貰っています。
当時は分業制で次から次へと釉掛け
をしていたので欠損していても
分からず”ずぶ掛けしていたのでしょうね!
現代は細かく気にし過ぎで面白味に欠けるの
でしょう。

くらいけさん、生がけは失敗が多いですね(高台を持つと欠けたりなど)~だから素焼をするようになったのでしょうが(笑)
釉薬の種類によって、なかには簡単なものもあり、つるつるとすべりって持ちにくいものなどは微妙に力加減を分散しながらやってます。
生地と釉の収縮(カイラギ、貫入)のバランスも難しいように感じますよ。


四月亭さん、黒釉はよい感じの上がりとなりましたので、今後は製作して行きます。
まだ生まれたてで、どのように成長するかわからないものの、茶筅を使えばすれてきそうな(年数は分からず)。
鉄は酸に弱いので、長年にわたり酢を使うとカセるかもしれません(赤絵なんかも酢に弱いです)

粉引碗「小山」かなり呑んでるようですね。上手くいけば、人より寿命が長いかも。
しかし、人と同じく、気を配らねば命永らえないような(笑)


山里さん、お役に立ててよかったです。
釉薬の縮れ(カイラギ)や釉だまりなんかもどこまでが許されるか、そのバランスが微妙なところです。
同じ原料、同じ窯でも、焼き上がりに好し悪しがあるようです。

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