June 7, 2009 12:27 AM
よくある皿にまれな高台
このタイプの皿は、李朝時代に最も使われ、一家に数枚はあったのではないかというぐらいよくみかけます。
10年近く前、韓国に行った時は、李朝のお皿が安くで買えたと喜んでいましたが、今となってはそんなに珍しい事でもなく、オークションで安値の落札などもみかけられるようになりました。
キズや釉の上がり、形によっての価格差はあるものの、数年前に比べ断然買いやすくなっています。
高台を削り忘れたようで、ヘラ跡が残り、当時は失敗品だった気もしますが・・・
今となっては、作り手にとって重要な史料価値もあります。
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Comments (9)
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>作り手にとって重要な史料価値もあります。
うつわやさんらしいですね!!!
研究熱心! 趣味と実益を兼ねている??? すばらしい!
研究しすぎて趣味が増え続けています。
昨日は地学の学習会があり・・・いまは、石の本読んでます(笑)
そろそろ器の修理もしないといけないし、作りたい仕覆もありながら、なかなか時間がとれません~。
手元に置いていないので、詳細は定かではございませんが、私もよく似た小皿
(径約12㎝)を所有しております。ただし、古唐津で糸切り高台ですが。
柳の元窯からの発掘ということで求めましたが、裏を見ると糸で切っただけで
高台を造ろうとした痕跡がまったく無く、丁度、山盃を皿の大きさに拡大した
感じです。うつわやさんご所有の片口にも、その様なものがありましたね。
当初、高台を造り忘れた為に廃棄されたと思っておりましたが、程度の違い
こそあれ、同じ造形のものを別に4~5枚売ってましたので、意図して造られ
たものではないかと推測しております。
うつわやさんは、その様な古唐津の皿をご覧になったことがおありですか。
唐津も山盃以外で糸切りがあるようですね。
>うつわやさんご所有の片口にも、その様なものがありましたね。
陶片でした・・・http://www.utuwa-ya.jp/blog/photo/kawagokatakuti03.jpg
お皿もたまに見かけます。先日もオークションにでておりましたよ。
李朝の場合、ヘラ切りはあっても、砂に隠れて見えなくなっているものが多く、唐津の山盃と同じように、白磁で背の低い俵形の小さなものになると削ってないものがよく見受けられるようです。
それと、関係のない話のようですが・・・
内ヶ磯と唐津も似ていますね。以前、知人が間違えて買われたという話をおききしたものの、実物は拝見しないままでした。関係ない話も歓迎しております(笑)
私が思いますのには、
削るには堅くて削れなかった、焼いてみたら壊れず焼けた。
この土は壊れにくい土なのでこれ幸いに削らなくなった。
壊れにくい小さいものだけ削るのをやめた。
手に持たないのだから重くてもいいと思った。
窯焚きが迫っていたので、削るのやめた。
高台が切れても貫通しなければ、汁が漏れなければいいとした。
駄目もと精神でやっていた。
安い給料で手を抜きたくなった。
どうしても削るのが面倒だった。
その日は気が乗らなかった。
変わった事を言う注文が来た。
高台があるとどうかについて、
まず、壊れるのが怖いので削る、切れ、爆発。
軽くなる、手取りを調節できる。
持ちよい。作り手は釉を掛けるに必要、使い手は持ち易い。洗うのにもあるとなしでは大違い洗剤で滑らない。
熱くない、ペタだと熱くて持てない。
かたちが決まる。
熱心な人に色々言われる。褒められたり貶されたりする。
堅手屋さん、コメントありがとうございます。
なぜ削ってないのか?ホントいろんな理由が考えられますね。
他に付け加えるなら・・・ただ削り忘れた。
釉薬をかける時に気付いて、捨てるのも面倒だし、割れも入ってないし、まぁ、いいか・・・のような。
>変わった事を言う注文が来た。
当時このような注文主がいたら、かなり変人扱いされたでしょうね。
価格をねぎって(あるいは物々交換とか)、手間を省いても(底は削らなくても)いいから・・・とかだったり(笑)
古陶好きからみる高台は、その器を知るためのひとつの目安になってるようですね。
そういえば、うちにもありました、へら目跡だけで高台を削ってない皿が。
14cmの李朝柔らか手で、1cmちょっと位の厚みが底にあります。
これも切れたりしていません。
いろいろ考えて、私もうつわやさんの説が濃厚と思いました。
削り忘れたのがあって、途中で気が付いたが、壊れてないので、
捨てずに焼く事にした、そして結果的に傷が無く焼けて出た。
これだと思います。
わざわざ高台を削らない皿を作ったというのは考えにくいですね。
壊れるリスクが高いですから。商品にならない事はしないでしょうし。
もちろん当時こんな注文する人いませんね。
ただし意図したベタの高台造りというのはあります。
その場合は傷が出ないように底の厚さ加減を決め、
土を叩いて締めたり、
それに合った材料を用いる等の事を踏まえてやっています。
高台は、いろいろとあるから面白いですね。
また、そこからいろいろ想像を広げると、新たな発見もあったり、作陶へのヒントなども、与えてもらえますね。