うつわやブログ

  • /

February 7, 2010 11:37 PM

真面目な青唐津

斑や絵唐津、皮鯨といったものより、数多く作られ、そんなに珍しくもない、青唐津です。

20100207aogaratsu01.jpg

口径 11,2~11,7cm 高さ 約6,8cm

何気ない釉調に作意のない趣、これだったら新陶でも欲しいと思い、オークションで入手しました。
最初は上野あたりの窯のような気がしていましたが、どーも、唐津の松浦系統(焼山?)のようです。

まだ、弟子入りしてる頃に、美術商の方から
「茶碗には、茶碗に見立てられたものと、茶碗として作られたものとがあり、その違いをしっかり見極めなさい」と言われた事があり、
確実に茶碗として作られた、この青唐津を見て、10年以上も前に亡くなられたその方の言葉が思い出されました。

20100207aogaratsu02.jpg

この茶碗を人に例えるなら・・・

決して目立とうとせず、控えめながらも、ゆったりとした貫禄があり、奥底にはゆるぎない精神力を秘め、付き合ってみると結構面白みもあるような・・・感じでしょうか(笑)

20100207aogaratsu03.jpg

 

人に例える事で、一つ思い出した事を。

"田舎の蒐集家"と"都心の蒐集家"の古唐津の蒐集品の違いについて談。

「○○さん(田舎)の蒐集って、なんかいいですよね~」
「都心にも凄い蒐集家が多いんじゃないですか?いいもの沢山集まってそうですよ」
「いや~、確かにあるんですが、なんか違うんですよ」
「何が違うんですか?」
「なんか、ギラギラしてるというか・・・どーだ!っていう感じで」
「え、何が、どう違うんですか?」
「分かりやすく言うとですね・・・キャバ嬢と純粋な女子高生ぐらい違うんですよ!」

キャバ嬢みたいな古唐津に、ちょっと興味をもった(笑)
(イメージとして・・・土見せ部分の多い山盃に、極端な端反りに加え口紅の厚い皮鯨、それをあざ笑う如く、あたしが一番よ!と言わんばかりの斑のぐい呑み・・・そんなギラギラ集団、お目にかかりたい)

Trackback (0)

Trackback URL: http://www.utuwa-ya.jp/mt/mt-tb.cgi/2933

Comments (10)

仰る通り、非常に端正な造形のお茶碗ですね。曲物の箱も素敵です。
当初からこの箱に入っていたのですか。

これが「真面目な青唐津」なら、「ちょいワル唐津」はどんな風ですか(^^

曲げわっぱは、岸岳庵さんのブログで拝見し、青蓮亭さんのブログで購入にいたりました。

家にあるなかで「ちょいワル唐津」といえば↓こちらの一攫千金を狙ってる「宝島」ですかね。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/assets_c/2009/07/20090701kutuchawan1.html
「ワル唐津」を通り越して、悟りの境地に至った「つくも神」も平凡ならぬ存在です。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/assets_c/2009/04/20090402douzono01.html
一番のワルといえば「蛇蝎の火入」でしょうか・・・。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/dagatu02.jpg

ご機嫌よう

うつわやさんは美術館に収蔵している茶碗で好きなものは何ですか?
ブログにアップされている古美術品の数々はあまり清潔な印象を受けませんね。ただ古ければ良いというのではなく、綺麗さ清潔さもなければならないと思います。
御本や高麗でも、伝来のわからない物はとても安く流通しています。しっかりとした物を買われて普段から使ってみては如何でしょうか?
きっと作品造りに役立つと思います。
キツイことを書きましたけれど、まだ開花していない才能を作品から感じましたので。

匂宮さん、松永耳庵さんの旧蔵だったら「老鶴」とか好きですね。
田中丸コレクションでは「閑窓」、あと上野の「小倉焼」とかも。
他に、粉引は「三好」、酒器になりますが「酔胡」。有名なところで唐津「草文ぐい呑み」これは絶対に外せませんね。

不潔な印象を与えたようで、失礼しました(笑)

>御本や高麗でも、伝来のわからない物はとても安く流通しています。しっかりとした物を買われて普段から使ってみては如何でしょうか?

しかし、自分の好み以外のものを買う余裕がなく・・・ましてやそれを使うには苦痛もともない・・・

>まだ開花していない才能を作品から感じましたので。
私には才能なんてありませんよ~日々努力を積み重ねていくだけです。

Money ( February 9, 2010 7:51 PM ) 返信

良い青唐津ですね!どこの窯でしょうか?焼山??

わっぱとの相性もナイス!

「都会」も「田舎」もモノ自体、そう変わらないと思いますけどね~。ギラギラしたもの、ではなく持っている人がギラギラしている場合がこちら東京では多々ありますが(笑)。

最後に。
僕はうつわやさんの古陶磁コレクション、清潔も清潔、清々しく思います。作られている作品も日々使っていますが用にかない、かつ品があります。

モノをどう捉えるか、そらは人それぞれではないでしょうか?僕はそう思います。

Moneyさん、多分実物をご覧になられて、焼山ぽいって話をしたような(笑)
わっぱは想像を超えたかわいいさで凄くよかったです!

ギラギラは人ですか~モノも影響されて・・・ってことはないですよね(笑)

お褒めの言葉、いろいろありがとうございます。
まだ、これからも今以上に頑張っていかなければと思っております。

>モノをどう捉えるか、そらは人それぞれではないでしょうか?僕はそう思います
そうですよね、納豆が嫌いな人に美味しいからと言っても、臭いって人には理解できない、みたいな感じですよね(笑)

その業者良い事を仰るわ。
ワシも奥方選びと同じように末永く付き合えるモノが良いと思うてやっております。

上記のうつわ屋氏好みの茶碗・・・・・・・これ、めちゃくちゃ高いだす。安くは転がっておりませぬ。
東京の道具屋にて金400萬以上持参して勝負するならなんとかなるかと思いまする。

青唐津は窯の加減で多いようですが、
自分はこの青唐津気に入ってます、
薪のアルカリ分で土見せの雰囲気も中々
良いですよ、窯変も見受けられますね♪
時代が付いてますから作られた雰囲気
とは変わっているでしょうが!

まだ写し的な時期だと思います、
年季を積んでくれば独自の作風が
、でしょうね、いつかは薪窯で。

Buhiさん、奥方選び、じっくり選び過ぎて、貰い損ねないよう祈っております。
金額に眼がくらんでいます(笑)


山里さん、土見せ部分は本来の色が全くわかりません~。
しかし、気に入っていただけよかったですね。

今の所、薪窯を使う予定はなく・・・(木を燃やして作るには抵抗があります)
電気窯(ガス還元)で、最大の魅力がだせればいいと思います。
みょうな誤解をされてるような気もしますが・・・”うつわや”なんです(笑)
http://www.utuwa-ya.jp/blog/utuwa-ya/

Post a Comment

カテゴリ
最近のブログ記事
アーカイブ

↑