June 20, 2010 11:54 PM
同じ原料による焼成変化
下の写真は、釉薬も土も違ってみえますが、全く同じ原料を使い、異なる温度(還元具合)で焼成したものです。(質問いただいたので、詳しく説明を)
この三つの湯呑は、土も釉薬も全く同じ原料を使っています。
左は温度が高く、還元がよくかかり、中央はやや温度が高く、酸化した部分もみられます。右は温度が低く、酸化焼成によるものです。
やきもの事典 より抜粋還元炎焼成:燃焼に必要な酸素の供給が不足して、炭素の多い火炎による焼成。そのため素地や釉薬中の鉱物の酸素が失われ、特有の色を呈する。青磁・辰砂など。
酸化炎焼成:完全燃焼により酸素の多い火炎で焼成すること。このため素地や釉薬中の鉱物が酸化し、その特有の色を呈する。青織部、黄瀬戸など。
この土と釉薬では、温度の低いほうがカイラギがでやすく、温度が高く還元が強くなるほど、灰釉のような緑色をおびてきます。
抹茶茶碗など、熱いものをいただく場合は、熱が伝わりにくく、完全に焼きしまってない、焼成温度が低い方が向いているように思えます。
それと、ニュウ(ヒビ)について・・・。
素地が生の状態で、釉薬をかけた時に、釉薬の水分を吸収し(膨張)してヒビが入る時があります。 よい参考例がありませんでしたが、下の画像が無数のヒビが入ったものです(胴の中央部分)。ヒビは一本や二本の場合もあります。
あと、使っていてヒビが入る場合もあります。
左の面取マグカップ(4年間使用)は、ドアノブにぶつけた後、床に落としてヒビが入りました。 右のフリーカップ(10年以上使用)は、使っているうちに、いつの間にかヒビが入っていました。
かなり、大きなヒビですが、水漏れもなく、現在も活躍中です。
(このカップは、頁岩を使用して作ったものです。ちょっと堅すぎて面白みに欠けるような気がし、その後、細かい砂っ気を混ぜるようになりました。)
6月27日 追記
食事をしている時に、使っている器を見て気が付きました。ちょうどよいニュウの見本。
この馬盥が焼成(もしくは釉薬がけ)の時に入ったニュウです。
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