うつわやブログ

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May 20, 2011 11:30 PM

豊干と閭丘胤

4客あるうち2客の筒向を寒山、拾得と名付けたので、残りの2客を豊干(ぶかん)、と閭丘胤(りょきゅういん)と名付けることにした。

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閭丘胤(りょきゅういん)と豊干(ぶかん)

胴に帯を巻き堂々としたかっぷくのよいものを豊干(ぶかん)。細身の品のよいものを閭丘胤(りょきゅういん)とする。

名前を付けて遊んでいると、器物にも品格があるように思えてくる・・・・。

聞くところによると、骨董の病のなかで、唐津ハイマーというかなり重度の難病があるらしい。 幸いお酒も呑めないし、高価な酒器より、手頃な雑器のほうが好きなので、その病に侵される心配はないと思う。

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牛乳を飲んでみると、こぼれにくく飲みやすい!

「寒山さん拾得さん」を久しぶりに読み返した。

寒山さん拾得さん

そもそも、寒山さん拾得さんは、中国の唐の時代に国清寺というお寺で炊事のお手伝いをしていました。拾得さんは、豊干和尚さんがハイキングで赤城山に行ったときに、拾ってきて育てたのでこんな名前がついているのです。お坊さんたちの食べ物が、いつも鳥たちに盗まれるので、拾得さんは、お寺の建物を護る神さまを杖で打って、「食べ物を守れずに、建物が護れるか」と叱ったりする、ふうがわりな人なのです。(中略)ある日、閭丘胤(ろきゅういん)というお殿さまが国清寺にやってきて豊干和尚さんに仏さまの教えについて尋ねました・・・

森鴎外の「寒山拾得」もまた読み返す。

先日教えていただいた青空文庫の寒山拾得より

「いや。四大の身を悩ます病は幻でございます。ただ清浄な水がこの受糧器に一ぱいあればよろしい。咒(まじない)で直して進ぜます」
「はあ咒をなさるのか」こう言って少し考えたが「仔細あるまい、一つまじなって下さい」と言った。これは医道のことなどは平生深く考えてもおらぬので、どういう治療ならさせる、どういう治療ならさせぬという定見がないから、ただ自分の悟性に依頼して、その折り折りに判断するのであった。・・・

読み返していくと、名前をつけた器物の器格(人格?)のようなものが色濃くなってくる・・・
豊干(ぶかん)で飲むと、あらゆる難病が治るかのごとく・・・
という反面これは骨董病に侵されているのではないかという冷静な判断もできる(笑)

20110520bukan03.jpg

お抹茶も点てやすく、持ちやすい。

そんな空想はべつにして・・・幾度となく使っているうちに、最初はこのような古作はあるはずがないとかすかによぎっていたが、いまでは甕屋の谷窯だろうという妄想が自分の中で確信にかわってきている。

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どーしても、古作に見える。

ついに妙な病に落ちたかもしれない・・・

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Comments (15)

唐津ハイマー…。
僕の事、ですか?(笑)

24カラッツですか!!

Moneyさん、自覚があるのは、まだよい傾向だと思われます!己を失わないように、応援いたします!

山半さん、高純度だと思われます・・・答えになってますよね!?

シヲゲナリイインカイ書記会計係 ( May 21, 2011 11:47 PM ) Reply

うつわやさん、こんにちは。

先日の唐津では、委員長共々お世話になりました。
あの日以来私もなんだか唐津が目の前をちらつくように…
コレが世に言う「唐津ハイマー」でしょうか。。

私も毎日使ってます、例の唐津。
委員長もなんだかんだ言っても気になるようですw
blogにのせてました。。http://sioge.exblog.jp/
私もぴったしくる銘をつけたいものです。。
やはり寒山拾得にまつわる銘がいいでしょうかね。。

シヲゲナリイインカイ書記会計係さん、先日はお疲れ様でした。
はじめて入手された唐津がアレでは、とりつかれるでしょう(笑)
ブログ拝見してます。絶対に写真ではわからないものと思いますので、実物を目のきく方に見てもらうといいですよ。5客のうち一番上りのよいものえらんでますから、銘は”シヲゲ観音”などいかがでしょうか・・・(笑)
それにしても、楽しかったですね。コメントありがとうございます。

シヲゲナリイインカイ書記会計係 ( May 22, 2011 10:11 PM ) Reply

こんばんは、
シヲゲ観音ですか。。( ´_ゝ`)
確かに女性的ですよね。
色々考えてみたんですが、「寒山寺の鐘」なんてどうでしょう…?
寒山拾得から少し派生しますが…
逆さにすると鐘っぽいし。。ちょっと語呂がよくないですかね。。

箱と仕覆もいずれ誂えたいと思います。

「寒山寺の鐘」なんだか、うってつけのような・・・
http://www.gulf.or.jp/~houki/travel/kansanji.html
↑こちらを拝見して、「日本人により持ち出されたと言う説が強い」「日本の下関港に陸揚げされた後行方不明である」なども面白いですね!
いとう博文公が鐘を探させ寄贈したというのも、なんとなくつながりを感じます(笑)

骨董屋は若い陶芸職人の古陶欲しがり病を承知しています。寒山拾得は何でも知っている。

>若い陶芸職人の古陶欲しがり病
ってはじめて聞きました・・・私はそう若くもないし(汗)
窯業地にありながら、その骨董屋さんで買い物する作り手は私だけで、同業者で買ってる人はあまりみかけません~。
作り手で古陶に興味のある人は少ないし、買う人はごく少数のような・・・寒山拾得は何でも知っている!?

次のお対の銘は「普賢」と「文殊」ですね。

蘇州に行くと寒山寺のお土産の拓本をみんな買ってきますが、ホントの碑を拓本にすると石にひびが入っているので、ひびのある拓本があれがお求めになっておいた方がいいと思います。

「普賢」と「文殊」を探しにいかないといけませんね。
一度は寒山寺いってみたいです。その時は拓本チェックします!お知らせありがとうございます。

李香蘭さんの歌声は心にしみてウルウルしてきます。
http://www.youtube.com/watch?v=w0ht7Wkkc3s&feature=related
♪金が鳴ります寒山寺♪

>金が鳴ります寒山寺

やっぱし、う「鳴る」ほどお金持ってたんですね(笑)

金のうなる音、聞いてみたいです!きっとよい音色でしょう(笑)


蘇州夜曲を聞いてたら遠い記憶がよみがえって・・・↓似ている気がした。
http://www.youtube.com/watch?v=zqMJ-4LYgO4&feature=related

最初の直感が大事。
そんなもんです。

それだけでは味気ないですから、想像を膨らまさないと・・・

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