うつわやブログ

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February 17, 2012 12:09 AM

はかなき楽茶碗

一昨日はお茶の稽古。一年で最も寒い今の時期は炉が大きくなり、手前も逆になる大炉。先生の勧めもあり今月はできるだけ行くようにした。

掛軸は、大木の脇から小さな枝が伸び、梅の花が咲いている画。花入は蹲る。だが花入れには花がない?・・・お軸が花の画なので花入れには水だけが入れられていた。

20120216rakucyawan01.jpg

庭の梅はやっと蕾をつけた。

濃茶手前に使った茶碗は黒楽。多孔質なため、熱いお茶を飲むには、冷めにくく、手取りも軽く、持った時に熱も伝わりにくい、 暖かいお茶を飲むにはもっとも適したものだと思う。 ただ、耐久性に欠ける、脆さがある。それは時代が経てば経つほど、脆く壊れやすくなってゆく・・・
そういうことは頭のなかでは充分理解できているつもりたった。

お稽古を終え、片付けをする。茶筅や茶巾を洗い、茶碗を洗って拭いていたら、ポロッとなにかが落ちた???目線を向けると、そこには茶碗のカケラがあった・・・。

20120216rakucyawan02.jpg

割れた楽茶碗

前からニュウがあるのは分かっていた、先週はそのニュウが開いてきてるもの気付いていた。 茶筅通しも茶杓で茶碗を打つ時にも注意をはらい、ほとんど音もたてない。 気になる事といえば、水道の水を流しながら洗った、桶に水を溜めて洗えばよかったと思うぐらいで、拭く時もそんなに力を入れてはないとは思う。なのに私の手の中で割れた(泣)

後でよく診ると、あちこちにニュウが入り、ボコボコになっている。 そういえば、手前を拝見してる時に、何度も「コツッ」と打たれる音を耳にしたことがあった。熱い湯を入れ、乾燥させ、何度も使われる、 その繰り返しによって寿命が縮んできたようにも思える。 しかし、私の手の中で割れた責任上、まだ頑張ってもらわないと困るので、修理をお願いした。

これで、楽の脆さと怖さ、並みの注意では足りないことを知った。修理が出来上がってからは、この茶碗はもっと大切に扱われ慈しまれるようになればといいと思う。

割った後に、高台のまわりが梅の花の形になってることに気付いた。
(修理だけでは申し訳ないので、新たな茶碗にしようと製作も試みる。形、寸法、手取り、写そうとするとこの茶碗の素晴らしさが見えてくる)

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