うつわやブログ

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August 25, 2014 7:00 AM

ガラパゴスのゾウガメ

京都に行く前、ちょっとした集いがあった。
最初にお会いしたのは大徳寺のお茶会でご一緒させていただいた時で、 その時も初めてお会いしたとはとは思えなような親しみを感じた。 一言、言葉を交わすだけでで大量の情報が流れこんでくるような・・・・茶席を出た後点心席に座り、横の柱に目を向け「この柱は私たちと同じようですね」と言われた、白木でちょっと傷が目立つような柱だった「この柱も、もう少し時代が経ってやけて茶色くなってくるとアジになってくるんでしょうね」そう言いながら内心、目立ってきている微妙な白髪を隠すことなく、いづれ真っ白な白髪になるのを待ってるような、そういう心境(世代)のように感じた。
茶席から点心席へ、庭の木や食べ物について、話題は広がってゆくけど、ズレがなく、 昔なじみに再会したような感覚で、「なんだか初めてお会いとは思えないですね」というと
「我々は絶滅危惧種ですよ、ガラパゴスのゾウガメのような」
「それほど減少してるんですか(笑)」
そう返事をしながら、お茶席のなかの美しい着物姿のご婦人らを前に、 そこでも、物凄く納得してしまった。

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福岡のアブラゼミ


その茶会から二度目の再会。興味の対象が近くて、打てば響き渡るようなそんな感じがする。古陶磁を拝見しながら、使いながらのお食事。ちょっでも間違いがあると大変なことになるのに、わざわざお持ちいただいのは本当に嬉しい。会話の中でふと思い出し「日本の歳事としきたりを楽しむ 茶の湯の宗匠が教える和暮らしの手引き」 買ったばかりの本をだしてみても、話がはずむ、この本、ください♪と言われたので、プレゼントする♪またいつかお会いできますように・・・はじめて手にとった『古鍋』は初期伊万里の延長のようで馴染みやすかった。この機会を与えてくださり、いつもお世話になってるやまさんにも感謝。

京都陶人展の翌日は、美術館に行く。心優しい陶人が地元ですからと信楽を案内してくださった。
現在韓国で勉強されてることや、最初は唐津で弟子入りしたことなどもお聞きしながら、雨の中、車で山道を登って行く。 美術館はちょうど最終日でミニコンサートが開かれ、歌声が館内に響いていた。


急に大粒の雨がザーッと降って、急に太陽が照りつける、変な天気のなか、ずっと頭の中に歌声が残る・・・・

20140824zougame02.jpg

冷製パスタがもの凄く美味しかったので作ってみる

展示を見た後、せっかくだから食事をしていこうと、行列の最後に並んで待つことにした。で、そこに食事を終えてでてきた、信楽の作陶家とバッタリ出会った。
「えっ、こんなとこで会うとは!こちら福岡の伊藤さん」紹介されたので挨拶をする。
「こちらは石山さん」「えっ、なんで?普段信楽でも会わないのに・・・・・」何度か会話があり、「今から帰って、家を片付けますから遊びにきれください~」即効決まった。
後でお名前を確かめると「えっ、あの方がっ!もちろん作品も知ってますよ~」超有名な作家さんだった。

天気は相変わらず晴れたり降ったりを繰り返してる。石山さんのお宅におじゃまする。 大きな縦長のガラス窓の向こうに雨ぬれた竹が枝垂れて、ミンミンミンミーと、蝉が力強く鳴いてる。
福岡ではいつのまにかミンミン蝉の鳴声を聞かなくなり、久しぶりに聞いた蝉の声だった。いま福岡で泣いてるのはアブラゼミかツクツクボウシが多い。
黒く塗られた部屋のガラス窓から眩しいくらいの明かり入ってくる 中で、いろいろ拝見させていただく、蝉の声と美術館で聞いた歌声も頭の中で重なり、より一層不思議な空間となる。
堅手や中国陶磁も懐かしい感じがする。石山さんも同じく、どこかとーい昔に会ったような・・・・・ 「前にヤフオクで競ったことがあるんですよ」「えっ、なんでわかるんですか(笑)」 「その後、ブログにでてたし」それを聞いてちょっと恥ずかしかったけど、 昔キムチ屋で京都に引っ越しした出品者がずっと前にだしてたものがよかったとか、 そんな誰も知らない、見向きもされないような事が通じるのがとても楽しかった。

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中央付近にツクツクボウシ



9月、神戸の珈琲碗展、秋季展期間ミホショップの展示の下見もかね人との出会いが楽しい3日間となりました。感謝。

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