うつわやブログ

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May 21, 2007 11:29 PM

陶片:古唐津 椎の峰窯

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この皿の形は李朝そのまんま!しかも釉薬は斑、この形で斑ですよ!
と最初に見たときには思わず興奮してしてしまいた。

この陶片の持ち主(店主)、曰く「これは椎の峰窯ですよ。私の父が40年前に掘ったのだから間違いありません。」と。

これが椎の峰窯!?ここの窯といえば、薄作りで端正な形、きっちりと削られた高台の印象があり、持っている図録に載せられているものとも随分違うようで、底部分には厚みがあり、手にとるとズッシリと重く、この陶片が椎の峰窯だとは信じられませんでした。

私のあまりもの驚き様に、店主は「そんなに気に入ったんなら差し上げます」と。
きっと他のモノを買っていたからもあったのでしょう
この陶片は無料で頂きました^^。

椎の峰窯について「唐津焼の研究」より抜粋しますと

元和元年(1615)頃、唐津藩の陶業復興策によるのか、唐津領内の陶工が椎の峰に集まった。
・・・・・寛文元年(1661)頃、椎の峰山に一基十二室の登り窯が三基あったことが記されている。現在も大きな窯跡が三ヶ所残っており、この辺一帯が一大陶業地であったことをしのばせる。

・・・・・なお椎の峰山窯には、付近の諸窯が集まった関係で唐津のすべての陶技が使われた。三島・二彩唐津・辰砂・があり、辰砂の赤、紫、緑と変化した美しい窯変も焼かれ、絵唐津・摺絵刷毛目・朝鮮唐津・黒唐津なども用いられている。


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斑の上に灰がかかったか?灰の中に埋もれたか?で
それが溶けずに表面が薄茶色になっています
この薄茶色をはがすと下から斑釉が現れてきます

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高台の形も李朝そのまんまですね

先日の「葭の元窯と柳の元窯」に「一ヶ所及至二ヶ所が、割高台」ということを書きました。この高台部分の切り込みは高麗茶碗にみられるもので、萩焼きにもありますし、この椎の峰窯にもあるみたいです。

こんなによいものを作っていたとは・・・
恐るべし椎の峰窯!

5月27日 追加
今までの椎の峰は↓こんなのしか知りませんでした。

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幕末頃~

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Comments (2)
くらいけ ( May 27, 2007 2:38 PM ) 返信

椎の峰窯といえば風来居で最近出ていた盃(商品番号A-16)のイメージでしたが、こういう皿も作っていたんですね。斑を焼く窯として見直しました。今後も注目です^^
http://www.furaikyo.com/

わたしも、くらいけさんと同イメージでしたよ。
そうそうこの(商品番号A†16)感じです。
↑もっと分かりやすく画像追加しました。

それが初期のものは全く異なり
絵唐津アリ、奥高麗茶碗までもアリでしたよ。

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