うつわやブログ

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August 3, 2009 7:56 PM

古椎のまだら

先日の阿修羅展の帰り、駅前の骨董屋さんに立ち寄りました。

店内を何気に見ていくと、盆の上に置かれた小皿の連なった陶片が目に入る!
ガラスケースの中をのぞくと、呼継ぎされた器が積み重ねれており、
「ちょっと拝見させていただきたいのですが・・・」と断りをいれて見せていただく。

斑の皿に見覚えがあり 「あっ、椎の峰」思わず言葉がでてしまった。
店主「そう、これは椎の峰窯の・・・」しばしの沈黙。(この一言で、互いに通じ合えた瞬間のような間。)

20090803koshii01.jpg

斑唐津向付
口径 10.7~14,3cm 高さ3.5~6cm

それからいろいろとお話をお聞きし、もちあわせがなかったため、お取り置きしてもらい、昨日とりに行ってきました。

椎の峰は長く続いた窯で、数箇所に窯跡があり、古い窯のものを略して"古椎"というようです。

店を出て、隣の駐車場に停めておりました明るい車内でお皿の細部を確認・・・釉薬で潰れた目跡!?"一瞬、二度窯"(カセた陶片を後に焼き直す)ではないかと疑ってしまいました。 20090803koshii02.jpg

しかし、くっ付きを取った傷跡をたよりに、どのような状況にあったかを推測してみれば、疑惑はすぐに晴れました。

20090803koshii03.jpg

上野にも、高取にもよく似たものがある。

なぜ椎の峰と分かったかは↓こちらを参照ください。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/2007/05/post-512.html

8月7日 画像追加

20090803koshii04.jpg
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Comments (6)

へこんだとこを親指と人差し指ではさんで、注ぎ口みたいなとこで飲めば盃にもなる…大きさが問題ですが…。

しかし、豊な釉調に面白い形…育てがいのありそうな感じがしないでもないですね。

大きさ忘れてました。向付サイズです(↑追加)
試しに、へこんだとこを親指と人差し指ではさんで、飲んでみると・・・飲めました!意外なほど飲みやすいです(はたから見ると変かもしれませんが(笑)

いろんな色が交じり合い、溶け合い、景色を織成しているような釉調で、斑のよさがとじこめられているな感じがしてます。
使い心地もよかったです。

堅手のように硬質な表情に上がった斑釉ですね。画像からは断定できませんが、
真上から見るとお多福やゑびすさん系のおめでたい輪郭をしているのではない
でしょうか^^

>しばしの沈黙。(この一言で、互いに通じ合えた瞬間のような間。)
こんな感じではなかったですか。ララァのように全力疾走でお代の工面を…

Gundam アムロとララァ Amuro and Lalah
http://www.youtube.com/watch?v=yPMJSdHvEFE

土の専門家によると、粘土にカオリンが混入(堅手と同じく)してるのではないかというお話でした。(今までみたなかでは長葉山窯の斑と似ている)
真上からの画像追加しました。自然な(不慮の事故によるくっ付きの)歪みながら、洒落た向付になってます。

リンク先拝見しました~よく探し出されたと驚きです!
そう、そう、まさにこの感じです・・・ララァのように身軽ではありませんが(笑)
(↑本当は、とぼとぼ歩んで、話の勢いにのってまた買ってした、どうしよう・・・こうなったら唐津と心中するぐらいの覚悟をと、開き直ってます。)

うつわやさん、気になる部分がありますのでお願いします。
「土の専門家によると、粘土にカオリンが混入(堅手と同じく)してるのではないかというお話でした。」
ここの部分、私は大変関心がありますので今一度詳しく教えて頂きたく思います。
宜しくお願いします。

カオリン質のものが若干入ってるのではないかと言われてました。
朝鮮カオリン(化粧土)とか、↓この金海手とかはほとんどがカオリンのようです。
http://www.utuwa-ya.jp/blog/2007/07/post-534.html
http://www.utuwa-ya.jp/blog/2006/12/post-97.html
焼しまっても軽い感じがします。

↓こちらの説明が分かりやすいですよ。
http://clayman.info/
(粘土鉱物って一言でいってもその中に含まれるものは多種多様です)

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